行動分析的”思考法”入門-生活に変化をもたらす科学のススメ

行動分析学を学んでいて思うのは、行動分析学に特有の考え方・見方があり、それに馴染むことが行動分析学を理解するために必要だということです。それが一般的な考え方・見方とは違っていることが、問題の1つになっているような気がします。

行動分析学に関する書籍を読みながら、その考え方・見方を少しずつ身につけてきたように思っていますが、それをあらためて確認してみようと思わされる1冊と出会いました。

それが『行動分析的”思考法”入門-生活に変化をもたらす科学のススメ』です。

ジョン・ベイリー、メアリー・バーチ著、澤幸佑、松見淳子監訳です。

『行動分析的”思考法”入門-生活に変化をもたらす科学のススメ』の目次

まずは目次を見てみましょう。

第1章 基本的な考え方
第2章 応用
第3章 行動の科学とテクノロジー
第4章 行動の一般的問題
第5章 心理学の他分野に関する行動論的見解
第6章 基礎的な懐疑論
第7章 「神話」とマスコミ
第8章 行動分析家としてのキャリアをスタートするために
第9章 行動分析家の倫理規定

『行動分析的”思考法”入門-生活に変化をもたらす科学のススメ』

行動分析学の考え方は少し特殊なところがあるので、第1章に「基本的な考え方」が来ているんだと思います。

基本的な考え方からスタートして、行動分析的な思考とはどのようなものかが展開されていきます。最後に倫理規定があるのもなかなか興味深いですね。

目次を見る限り、第5章「心理学の他分野に関する行動論的見解」が面白そうです。

『行動分析的”思考法”入門-生活に変化をもたらす科学のススメ』の内容

『行動分析的”思考法”入門』は質問形式で書かれているのです。各章に質問があり、それに対する答え・解説が書かれているという構成になっています。

例えば、「Q1 行動分析とはなんでしょうか? 心理療法ですか?」、「Q26 行動の<疾病モデル>についてどう考えますか? <医学モデル>という言葉も聞いたことがあります。」、「Q48 行動分析家は、罰の正当性を信じていますか?」などなど。

ちょっとした読み物的な感じもあるので、気楽に読めて、行動分析的な思考法を知ることができるのがいいなと思って購入しました。

『行動分析的”思考法”入門』の「日本語版によせて」に興味深い記述がありました。

行動分析は、(多くの場合、応用行動分析のコースを一つも履修したことがないような)臨床心理学者によってもいまだに誤解されていることがあり、これはメディアでの扱われ方も同様です。(p.i)

『行動分析的”思考法”入門-生活に変化をもたらす科学のススメ』

誤解は誰にでもあるものなので、それはそれで仕方ないと思います。でも、心理学の専門家として、心理学という範囲に入る専門外の理論について知りもしないで批判したりするのはよくないなと思っています。

行動分析学については僕自身も誤解していたところもありますし、おそらく他の理論に関して未だに誤解しているところもあると思っています。知り合いに精神分析が専門の人がいますが、その人のおかげで精神分析に関する誤解が解けたとうい経験もしています。

それぞれの理論にはそれ特有の考え方・見方というのがあるのかもしれません。どの枠組みで考えるのか、見るのかというのがとても重要なのでしょう。

そういう意味で、行動分析学の思考法を知る1つの方法として、『行動分析的”思考法”入門』が役に立つかもしれません。疑問に思っていることがそのまま質問として掲載されているか確認するのもいいでしょう。